和食の魅力を再発見。ほんのひと手間をご一緒に
株式会社旬海堂仙台藩62万石・伊達家直轄の漁港として栄えた名取市閖上に工場を構える『旬海堂』は今年で創業31年目を迎えました。吉次に銀鱈、金目鯛。大ぶりで身厚の立派な切り身に、じっくりと漬け込まれた吟醸粕の芳醇な薫り―。『旬海堂』の「旬海漬け」は、上質な贈答品として高い人気を誇っています。
職人が一切れ一切れ手で捌いた旬の魚の切り身は、米どころ宮城の地酒吟醸粕と本場熟成の仙台味噌を合わせた秘伝の粕にじっくりと漬け込みます。化学調味料や添加物を一切使用せず、季節を彩る鮮魚それぞれの“一番旨い“と言われる部分だけを低温で6日間、時間をかけてゆっくりと発酵させるという、昔から変わらない手間暇をかけた製法が、「旬海漬け」の醸し出す旨味やコクをつくり上げています。
商品開発も統括する、常務取締役の佐々木悠輔さんは「多忙なお客様からは、もっと手軽に食べられるようになりませんかと、ご要望をいただくこともあります。しかし、製造技術やパッケージが向上したとしても、焼いた時に薫り立つ、あの独特の香ばしさが『旬海漬け』の魅力。一番おいしく召し上がっていただくためにも、お客様自身に焼いていただい、ぜひ焼き立てをご賞味いただけると嬉しいですね」と、語ります。酒粕漬けは確かに焦げ付きやすく、火の通り具合に少々失敗することがあったとしても、「これはちょっと焦げ過ぎたね」「今度は、焼き目もちょうど良いね」と、旬海漬けを通して会話が広がり、和食の魅力再発見に繋がっていけたらと、佐々木さん。
2021年春には、仙台駅1階『tekute仙台』に『旬海堂』の新店舗がオープン。本格的なお魚弁当や和惣菜、イートインを含めた新たなスタイルの『旬海堂』となっています。百貨店の贈答品売場とは違った形でお客様の声を直接聞ける貴重な場であると同時に、魚が主役の和食を通して地元・閖上の魚介の魅力を発信する場としても、今後ますます注目を集めていくことでしょう。