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未来に伝えたい、鳴子漆器の魅力

うるしものヤマミチ舎

木地文化とともに漆器づくりの技術が息づく、宮城の名湯・鳴子温泉郷で、伝統的な技法を基礎にした漆器の製作を行っているのが、サトウショウタさん。温泉街から更に山に向かうと現れる急こう配の坂道や付近一帯を、地元の方は昔から“ヤマミチ”と呼んで親しんでいるところにサトウさんの工房があります。「山道をのぼった一番上にあるので、シンプルにこの名です」というのが工房の名前の由来です。

仙台出身のサトウさんは、元々、張り子など手仕事で生み出される全国各地の工芸品が好きだったそう。会社員経験を経て、震災から数年後に縁あって鳴子の地に移住。ここで鳴子漆器に出会います。鳴子といえば、「鳴子こけし」が全国的には有名ですが、宮城県内の伝統工芸品の中でも、たった4つのみが指定されている国の伝統的工芸品に名を連ねているのが鳴子漆器です。しかし、宮城が誇る伝統工芸でありながら、時代が抱える後継者不在という問題が鳴子漆器にもありました。この伝統を絶やすわけにはいかないという想いから、現在の師匠に弟子入りし、3年近くの修業期間を経て2019年4月に独立、今に至ります。

ひとつの漆器が出来上がる工程には、それぞれの職人が培ってきた技術が求められるため、分業が多いそうですが、サトウさんは、木地は県内・近郊で製作されたものをもとに、下地から上塗りまでを一貫して制作しています。

これからは、若い世代にも漆器の良さを伝えて使って欲しいと考えているそうですが、若者向けだからと斬新なデザインに走ることなく、オーソドックスなお箸やお椀など、漆器の良さが伝わる作品をベースに、漆器にはあまり使われてこなかったような色合いで表現するなど、サトウさんらしいクリエイティビティで漆器制作に取り組んでいます。

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